● 作り手としての気持ち ●
分業制が確立している輪島の椀木地師です。お椀の木地の多くに他産地のものを使っている輪島で「仕事より値段」を求められるたびに、空しさを感じていました。10年位前より自分で刷毛を持ち、漆を塗るようになり、世界が広がりました。お椀の弱い部分を補強する布着せは下地職人 水上英治さんに、粉が重くて回転させながら乾かす 本朱の上塗りは上塗り師 隅 祐智さんにお願いしています。漆は木地師に誇りを持たせてくれ、今はこの仕事に就いてよかったと思っています。ケヤキの木目を生かした塗りなので「想」の1字を入れています。自分がよいと思うものを形にして、同じように感じたお客様がどんな使い方をされてもいい様な、強い塗り物を目指して塗っています。
● 使い手へのメッセージ ●
木地師であることに、ほこりを持たせてくれる漆。
木目の心と書く「想」の1字を入れています
|